どなたでも安心して利用できる公共トイレに求められるものはなにか──。半世紀以上にわたって、調査、研究、開発を重ねて参りました。公共トイレは、ユニバーサルな機能とデザインがもっとも必要とされる場所のひとつです。たとえば車いす使用者の方には、車いすを取り回す空間が必要になりますし、視覚障害者の方には広すぎるトイレがかえって不安を与える場合がある、という調査結果もあります。介助の必要な方、乳幼児をお連れの方、オストメイト配慮器具を使われる方……利用される場面は、じつにさまざまです。さらに、機能とデザインで実現したかったことは、公共トイレにつきまとう、汚い、臭い、暗い、怖い、というイメージの払拭です。定期的清掃に頼るばかりでなく、トイレ自体の除菌、抗菌機能できれいを保ちやすいようにし、手を触れる動作も必要最小限にとどめられるよう整えました。また、ウォシュレットに必要な操作リモコンの電源は、スイッチを押すたびに発電されるエコリモコンを導入しましたので、電池切れの心配はありません。さまざまな利用の場面を想定しながら、「THE TOKYO TOILET」は個々のトイレの空間に合わせ、クリエイターの方との相談も重ねて、個性ある空間に適したデザインとあたらしい機能を持つ製品を、ご用意しました。海外から日本にいらっしゃるお客様にも、日本のトイレの「おもてなしスタイル」を体験していただき、私たちTOTOの提案してきた清潔で快適なトイレ文化を、世界に発信することができればと願っています。
TOTO株式会社
代表取締役副社長執行役員
白川敬
設計施工には大和ハウス工業株式会社、トイレの機器やレイアウトの提案にはTOTO株式会社にご協力いただいています。ご協力いただいている皆さまの思いをご紹介します。